卒業研究発表

作業療法学生の国家試験準備の実態調査

― これを知って乗り越えよう!! ―

2017年度 【作業療法士学科 夜間部】 口述演題

背景

 作業療法士(以下OTとする)国家試験の試験範囲は広く,十分な準備時間がある状況とは言えない.先行研究では,「OT学生の国試準備の期間は2か月間」1),「不十分な個所を理解し,短期間で要領よく補っていく必要がある」2)と報告されている.OT学生がどのように国家試験準備を進めているのかを調査し,効率の良い国試準備の方法を明らかにしたいと考える.

対象及び方法

 大阪医療福祉専門学校OT学科の最終学年の学生71名に対し,第52回OT国家試験の翌日に同校で行われた自己採点会場でアンケート調査を行った.調査にあたり,倫理的配慮について書面で説明し同意を得た.

結果

 完全な回答が得られた37名分(20~30歳代の男性15名,女性22名)のアンケート結果をA群(自己採点210点以上)とB群(同200点未満)に分けて比較・分析した.

考察

 お勧め勉強法については, A群は学生同士で集まり勉強する割合が多い.Edgar Daleによると,学生間で知識の理解を深め,記憶の定着化や教える側の学習力の安定化を図る事ができる3)と述べており,学習効率も良い事が伺える.また,ノートまとめよりも過去問を解く事を重視している.実践形式で問題傾向を把握する為だと考えられ,A群とB群の結果には大差がみられた.月別の国試準備への力の注ぎ具合に関しては, A群は1月から早期にスタートしている.春休み(3月),夏休み(8月)は実習がない為,準備を進める機会にしている.また,A群とB群両群共,スタートが本格化するのは,実習終了の11月以降となっている.

まとめ

 A群は,ノート作りよりも,過去問を解き,解く事の慣れと内容理解を深める事を重視し,学生同士で集まって勉強する事で,不足知識の理解・学習の安定化を図る事が重要であると考えられる.また,国家試験勉強を無理なく着実に行えるように早めに準備していると考える.

文献

1)山本双一・他:国家試験受験学習に関する調査.平成13年度高知リハビリテーション学院紀要3,19-24.
2)竹嶋理恵・他: 国家試験特別教育プログラムにおける作業療法士学科学生の国家試験への意識および学力の変化.帝京科学大学紀要vol.8,2012,37-46.
3)Edgar Dale”Audio-Visual methods in teaching”, 1946, 37-39.

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