卒業研究発表

伝え方による不快感の違いについて

― 作業療法士の患者との関わり方をよくするための研究 ―

2019年度 【作業療法士学科 昼間部】 口述演題

背景

 山口によると,「初対面と半知りの関係にある2者においては“触れられる”ことによって不安が低減する」と述べている.また作業療法士の臨床場面では初対面・半知りの関係での介入が多い.そこで本研究では,触れる前に口頭説明を入れることでより不安を低減させられるのではないかと考え研究を進めた.

対象および方法

 対象は医療系専門学校生男女65名(男:女=25:40).評価方法はリッカート法(6段階)へ記入し,説明用紙+口頭説明群と説明用紙のみ群に分けROM動作(肩関節屈曲)を実施,その後自由記述によるアンケート調査.統計処理はマンホイットニーのU検定を使用.

結果

 マンホイットニーのU検定による統計処理では,p<0.05より有意差ありとなり,説明用紙+口頭説明を行う方が説明用紙のみの場合より触れられることへの不安度が低いということが明らかになった.

結論

 不安を低減させられる説明方法とは,説明用紙を使用して口頭説明を行うことである.さらに,自由記載で「触れられる前に声掛けがあると不安な気持ちにならない」という意見が多いことから,触れる前に声掛けを行うことも不安を低減させる要因になったと考える.そのため臨床へ出た際は,検査内容の説明を行うだけでなく接触前に声掛けを行うことで患者様が安心できる環境の下での介入が可能となると考える.

記事一覧
大阪医療福祉専門学校 TOP

CATEGORY MENUカテゴリーメニュー

もっと詳しく知りたい方は