旅行を通じて60歳以上の機能低下防止に繋げる研究
2019年度 【作業療法士学科 昼間部】 口述演題
背景
日本の高齢者は,行動範囲の縮小や社会的孤立の状態像として概念化されようとしており,評価指標として居住家屋からの外出頻度の少なさが提唱されている. そこで我々は居住家屋から外出目的の一つとして旅行に着目した.旅行に行くことで高齢者の心身の賦活となり,心身機能の低下防止に繋げられると考えたため,旅行の効果を明らかにすることを本研究の目的とした.
対象および方法
対象者:旅行に行ったことのある60歳以上の男女168名 平均年齢:75.5+7.5歳 調査方法:対象者に旅行について, 5件法による自記式質問紙法 分析方法:記述統計,推定法(因子分析)
結果
旅行に行く事の目的は,リフレッシュや旅先の食事,人との交流などが多いが,実際の効果は,ストレス軽減,意図せず歩行距離や運動量の増加であった.
結論
旅行に行く事でリフレッシュ効果だけではなく,運動効果も確認できたことより,心身機能の維持・向上に対する効果が期待でき,健康増進に繋がることが示唆された.