卒業研究発表

優秀演題

作業療法士ができる災害支援の考察

― 脳血管障害者の避難所での生活を考える ―

2019年度 【作業療法士学科 夜間部】 優秀演題

背景

 自然災害が増加する近年において,災害支援は日本作業療法士協会の重点事項である.

対象および方法

 脳血管疾患発症から2年経過しADLが自立している14名に対し,避難所生活で困難と考える事を自由記述で問い分析した.尚,研究に際し倫理委員会の承認(大医福第18-教-123号)を得ている.

結果

 72記録単位からカテゴライズした結果,7コアカテゴリーが生成され,移動・床上動作・トイレ・物品・入浴・心的要因・食事で構成された.コアカテゴリーの上位は移動・床上動作で,主な内容は移動時の段差対応が困難,床上動作困難が関連したものとなった.

考察

 脳血管疾患を呈する人の避難所生活で困難だと考えることについて調査し,移動・床上動作が多く上げられた.発災時は慣れない環境で生活するため,動作困難を助長させ生活不活発になると考えられる.実際に避難所の環境をみると,バリアフリー化はされているもののまだ環境調整が必要なところがみられる.発災時は支援者不足や混乱も予測される為,各避難所が避難者の負担軽減を図る必要がある.非常時だけでなく,平常時より作業療法士が専門性を活かし,地域や行政と共に問題を検討し,対策を考え有事に備える事で避難所生活の質を向上し,生活不活発防止に繋げる事ができると考える.

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