卒業研究発表

マニキュアを塗ることによる運動パフォーマンスの変化

2019年度 【作業療法士学科 夜間部】 口述演題

背景

田中らが述べる,爪に変形を加えると触覚が鋭敏になる点と,廣重らが述べる,運動パフォーマンスの向上には手指の感覚保持が重要である点に着目した.

対象者および方法

 対象は,男女身体障害者・高齢者18名.実験は,コインをめくる・入れる,冊子めくり,ボタンの開閉,靴紐通しを,マニキュアを塗布した状態としていない状態で時間を計測・比較し,マニキュアを塗ることで手指の運動パフォーマンスに変化を与えるか確かめ,実験後にアンケートを実施した.

結果

 各作業時間の平均値を比較すると,t検定では有意差を認められなかった.よってマニキュアを塗ることで作業速度に変化がみられず手指のパフォーマンス向上は立証できなかった.

結論

 結果が得られなかった要因として,マニキュア塗布での刺激が不十分であったことなどが考えられる.また,身体障害者で全体的に遅くなる傾向が見られ,これは今までに経験・学習してきた作業項目が少なかった為と考え,作業内容を理解しているもの,普段よく行うものにすると効果があると考える.また,アンケート結果から精神的効果では,好きな色を塗布しての作業が有効であると考える.これらの事を踏まえ作業を行うことでマニキュアの効果が期待でき,ADLの向上に繋がると考える.

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