ながらスマホ時の視野狭窄の検討
2019年度 【視能訓練士学科 3年制】 優秀演題
背景
近年ながらスマホが社会問題になっている.ながらスマホによる様々な弊害があげられるが,その中のひとつに視野の狭窄が考えられる.
対象者および方法
視能訓練士学科3年制1年38名にアンケートを実施(平均20歳)し,その中で無作為に抽出した視野異常のない20名に対して動的視野検査を実施した.方法は,ゴールドマン視野計にて文字入力,動画視聴,下方固視の順で動的視野検査を測定し,比較分析した.
結果
スマートフォン未使用時を100%として,動画視聴時は9%減少,文字入力時は16%の視野減少がみられた.文字入力時はスマートフォン未使用時より有意に視野が狭くなっていたが,動画視聴時に有意差はみられなかった.
結論
文字入力時は,スマートフォン未使用時より視野が狭くなっていることがわかった.動画視聴時は,有意な差はみられなかったが,平均で9%の減少がみられるため,動画視聴時も視野が狭窄していないとはいいきれない.スマートフォンを使用する際は,安全に留意し適切な状況で使用することが大切であり,一人ずつの意識を変えていくことで,事故防止につながると考えられる.