卒業研究発表

視力値の変化に伴う味覚感受性

2019年度 【視能訓練士学科 3年制】 口述演題

背景

 酒井,蓑原らは味覚と視覚に関係性はあり,視覚遮断の状態では味覚の感度が鋭敏化すると述べている.これは視覚を完全遮断した状態であったため,視力値の低下に伴う味覚の感度の変化を究明した.

対象者および方法

 対象は本校視能訓練士学科3年制30名(女性30名,20±3歳).完全屈折矯正状態にて, 砂糖水を濃度の昇順に甘味を感じるまで被検者に試飲してもらった.次に視力をlogMAR値で1段階低下させ,同様に甘味を感じるまで砂糖水を試飲してもらった.甘味を感じた濃度段階に変化が生じるまで視力を低下させ同様のことを繰り返した.その割合を比較検討した.

結果

 味覚の鋭敏化がみられたのは20名,味覚の鈍化がみられたのは10名であった.またlogMAR値を変化させた視力値では視力を1段階低下させた中で味覚が鋭敏化したのは9名と最も多く,味覚の鈍化は視力を1段階低下させたときと2段階低下させたときで4名ずつと最も多くみられた.

結論

 酒井は完全遮断の状態では味覚の感度は鋭敏化すると述べている.本研究にても味覚が鋭敏化した人数は味覚が鈍化した人数よりも多かったことから,完全遮断ではなくても視力値の変化に伴い味覚の感受性の変化は起こると考える.

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