白杖についての意識調査
2019年度 【視能訓練士学科 3年制】 口述演題
背景
視覚障がい者が白杖を使用する際の心理的困難さの中に,視覚障がい者と社会との関係性が要因として上げられており,この事から周囲の認知理解の現状を知る必要がある.
対象者および方法
大阪医療福祉専門学校学生95名(理学療法士学科昼間部1年生38名・2年生37名,言語聴覚士学科昼間部1年生20名,年齢28±10歳)を対象とした.方法は,2件法にて自由記述無記名にてアンケート調査を実施し,円グラフとKJ法を用い分析した.自由記述項目では,白杖に対する認知度・役割・支援・使用者の現状・理解の必要性の5項目にて実施した.
結果
白杖の認知度は約7割であった.しかし,白杖は視覚障がい者のシンボルであるにも関わらず白杖を見かけた意見として,道を譲った等の間接的な意見が多く,直接的な意見は少数意見であり,声をかけた等の意見は殆どみられなかった.
結論
健常者は白杖の存在・役割の理解については半数以上の認知であったが,積極的な支援に繋がっていない.当事者は視線を集める道具,社会と自分との距離を広げる道具などの意見があり,視能訓練士として積極的な支援に繋がるきっかけが必要である.