学校生活における困り感と実習満足度や実習での困りごととの関連
2024年度 【作業療法士学科 夜間部】 優秀演題
背景
野崎は,学校生活における困り感が高い人の方が低い人よりも実習での支援を多く求めていたと述べている.大工谷らは,実習での総合評価に情意面は大きな影響を及ぼすと述べている.
対象者および方法
対象は,本校の作業療法士学科昼間部3年,夜間部4年の計43名である.方法は,Googleフォームにてアンケート調査を実施した.
結果
困り感と実習満足度をスピアマンの順位相関係数にて分析すると負の相関が見られた.そのため,学校生活における困り感が高い人は実習満足度が低いという結果になった.また,困りごとの内容に大きな差は見られなかった.しかし,困っている人の割合は困り感高群の方が高かった.
結論
学校生活における困り感の高さの違いは実習満足度に影響している.アンケート内の実習中に困ったことを選択してもらう質問で多くの人が選んだ項目に対して,学校からの支援を求めている人が多いのではないかと考えられる.そのため,困っている人が多い項目への支援を増やし,実習中に困る機会を減らすことで実習満足度の向上に繋がるのではないかと考えた.また,学校からの支援以外に問題解決に向けての本人の積極的な行動や努力も必要であると考える. 1)野崎由希子:看護学生が臨地実習で教員に求める支援と発達障害の傾向に起因する学校生活における困り感との関連.日本看護学教育学会誌.31,2021,29-41. 2)大工谷新一・他:臨床実習の総合評価に影響を及ぼす要因に関する研究.理学療法科学.19(3),2004,223-227.
