卒業研究発表

作業時における音の影響について

2024年度 【作業療法士学科 昼間部】 口述演題

作業時における音の影響について

佐伯らの研究では,騒音の音圧レベル値や,無意味・有意味性にどのように依存するかが考察されていた.

対象者および方法

対象は,大阪医療福祉専門学校の作業療法士学科に在籍する学生45名にアンケート・実験を実施した.方法は無音と無意味音,無音と有意味音の2群に分け,それぞれ1週間の期間をあけて足し算の100マス計算を行い,誤答数,残り秒数,回答数の有意差を統計検査にて調べた.

結果と考察

実験の結果,無音と無意味音では誤答数が減少,無音と有意味音では残り秒数が増加した.回答数は無意味音・有意味音ともに有意差は見られなかった.アンケートの結果,普段から有音の環境で勉強をしている人が多く,実験中も音が気にならないと答えた人が多かった.音の影響だけでなく2回目を行うことで容量を得たため,学習効果により結果が上がったと考える.

結論

結果から,無意味音に比べて有意味音の方が作業結果に影響を与えるという仮説はあっているとは言えない.
1)佐伯徹郎・他:短期記憶作業時における騒音の影響:うるささの心理的印象と作業成績.日本音響学会誌.59(4),2003,209-214.
2)後藤順子・他:計算および記憶課題に及ぼすBGMの影響について:被験者の「ながら」習慣の違いに関する検討.和歌山大学教育学部教育実践総合センター紀要.18,2008,59-68.

記事一覧
大阪医療福祉専門学校 TOP