下肢骨格筋率が不定愁訴に及ぼす影響について
2024年度 【理学療法士学科 昼間部】 口述演題
背景
傍田らは,起立性調節障害の運動療法として下肢レジスタンストレーニングの効果を報告している.しかし各症例に対する下肢骨格筋量の程度を調べた報告は見当たらない.
対象と方法
対象者は学生20名(19.6±0.76歳),アンケート調査から不定愁訴有を該当者(以下:実験群),無しを非該当者(以下:対照群)とし,それぞれ10名ずつ抽出した.測定項目は1)血圧測定(背臥位安静10分間,起立直後,立位1分間隔で10分間),2)体組成計により下肢骨格筋率を測定した.統計処理は2群間においてMann-WhitneyのU検定を用い,有意水準を5%とした.
結果
安静時と起立直後の血圧は収縮期が実験群16±12.4mmHg,対照群で3±9.8mmHg,拡張期は実験群13±7.33mmHg,対照群6.6±6.6mmHgと共に両群上昇し,実験群で有意差を認めた(p<0.05).下肢骨格筋率は実験群39.56±1.55%,対照群39.02±0.99%と有意差は認めなかった(p=0.12).
結論
不定愁訴には下肢骨格筋率自体は影響がないことが示唆された.先行研究での下肢レジスタンストレーニングは筋肥大の目的ではなく下肢骨格筋の筋ポンプ作用を促すためと考えられる.
1)西保岳・他:筋ポンプが血液循環動態に及ぼす影響.体力科学.34,1985,284-293.
