腰痛と身体機能の関連について
2023年度 【理学療法士学科 昼間部】 口述演題
背景
はじめに,平成28年の厚生労働省の業務上疾病発生状況等調査において腰痛は64%であり,腰痛は労災疾病のうち常に6割以上を占めている.
対象者および方法
対象は大阪医療福祉専門学校理学療法士学科,腰痛あり平均20.4,腰痛なし平均20.2,全体平均20.3歳の腰痛あり(非特異性腰痛)10名,腰痛無し10名の計20名の女性を対象として研究を行った.方法は,腰痛ありと腰痛なしのSLRの左右差を比較分析した.また,生活習慣についてアンケートをとり,睡眠時間は6時間未満の人をなし,6時間以上の人をありと規定し,運動習慣は週2回未満の人をなし,週2回以上の人をありと規定した.
結果
左SLRはP値が0.587,右SLRは0.047であり0.05未満のため有意差を認めた.20代前半の女性は,腰痛とSLRの左右差に関連性があることが示唆された.また,睡眠時間,運動習慣には関連性が低いことが示唆された.SLRにおいて右の腰痛ありとなし群において正規性が見られた.
結論
20代前半の女性は,腰痛とSLRの左右差に関連性があることが示唆されたためハムストリングスのストレッチなどで腰痛が予防できると考える.
1)岩田幸士・他:骨格姿勢と腰痛の関係.人間工学.32(Supplement),1996,76-77.
2)大久保勝朗・他:非特異的腰痛者に対する神経筋制御能を整えるエクササイズの有効性.日職災医誌.63,2015,392-396.