温熱療法がAIM力に及ぼす影響
2023年度 【理学療法士学科 昼間部】 口述演題
背景
e-sportsは現在の日本で競技として広まっており,主なゲームジャンルとして「キャラクター目線のシューティングゲーム」が挙げられる.e-sportsに理学療法士が関わっている報告は少ない.本研究では上肢を温熱療法で温める事によりゲームに必要な能力である「AIM力」に及ぼす変化を検証する事を目的とした.
対象と方法
本校理学療法士学科昼間部3年生の右利きの学生(平均年齢:20.6歳)合計30名を対象とした.手順として,被験者を3群に分け,FPS・TPSシューターズを用いAIMテストを2回実施させた.A群を温熱療法無しのコントロール群,B群を1回目のテスト前に温める群,C群を2回目のテスト前に温める群とし,命中率と速度を二元配置分散分析にて検定をかけ,3群間を比較分析した.
結果
群間・回数・交互作用において有意な差はみられなかった(p>0.05).
結論
今回はマウス動作に動員される筋群として上肢への温熱療法を実施したが、Aim力に影響が見られなかった.温熱刺激でなく視覚刺激の関与など温熱療法以外の刺激の関与が原因として考えられる.
1)加藤貴昭・他:eスポーツという大いなる可能性.慶應SFC学会,Keio SFC journal.20(1),2020,184-207.
2)坂本竜司・他:ホットパック温熱刺激が等速性運動に及ぼす影響.理学療法科学.33(5),2018,761–767.