卒業研究発表

振動刺激が関節位置覚へ及ぼす効果の検証

― 触圧覚刺激を排除して ―

2019年度 【理学療法士学科 昼間部】 口述演題

背景

 近年,リハビリテーションやスポーツの領域において,振動刺激が関節位置覚の向上に有効であることがいくつか報告されている.本研究は,肘関節に対する振動刺激の有効性について検証した.

対象および方法

 本校在学生30名(年齢18.3歳±0.68)を振動群15名,休憩群15名の2群に分け,アイマスクを装着し視覚を遮断した状態で,肘関節の屈曲角度を測定した.実験手続きは,肘関節最大屈曲位から屈曲120°,90°,60°の順で肘関節を伸展し,3セット計9回を動作解析ソフト「Kinovea」を用い,関節角度を測定した.振動刺激部位は上腕二頭筋腱部とし,周波数は91.7Hzとした.角度誤差の二乗平均平方根を分析値とし,統計学的検定として,振動群と休憩群を「t検定」を用いて比較した.なお,有意水準は5%未満とした.

結果

 振動群は休憩群と比較し,関節誤差角度に有意な差はみられなかった(p>0.05).

結論

 局所への振動刺激を行う条件として,①振動刺激を行う関節角度および測定する目標角度の相違,  ②有効な振動刺激を得られる部位,接触圧および接触時間などを十分に検討し,振動刺激を与えることが必要である.今後の検討課題としたい.

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