卒業研究発表

優秀演題

感染予防具による暑熱環境が注意機能に与える影響

2021年度 【理学療法士学科 昼間部】 優秀演題

背景

COVID-19の感染予防に用いられるマスク着用に対して熱中症対策を環境省が取り上げている.また,臨床現場では感染予防具の装備により夏季の業務において暑さが障壁となっている.暑さにより何らかの高次脳機能に影響を与え,注意機能を低下させる可能性が考えられる.

対象と方法

本校理学療法士学科昼間部3年生の合計11名を対象とした.被験者は感染予防具を装着する装着群と装着しない非装着群に分け,クロスオーバー試験を実施した.方法はベッドから車椅子に移乗介助を行い,3m先のプラットフォームに再度移乗させ背臥位をとらせる.これを20分間繰り返し行った.運動課題を実施する前後にTMT-B,鼓膜音,体重,VAS(不快感)を測定し,装着群と非装着群で統計学的検定を実施した.有意水準を5%とした.

結果

TMT-B,鼓膜温,発汗量,VAS,いずれにも有意差は認められなかった.

結論

20分間の課題時間では感染予防具を装着の有無でパフォーマンスに大きな差は見られなかった.このことから臨床現場において,1単位の理学療法では感染予防具を着用していても注意力低下を及ぼすほどの影響はないことが示唆された.

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