各学年の気分変化とその要因の違い
― ナラティヴスロープを用いて ―
2023年度 【作業療法士学科 夜間部】 口述演題
背景
速水らは学生生活での対人関係の場では多くの満足を得ており,本業と関連すべき側面においては否定的な感情を抱いているものが多いと述べている.門田らは学生生活の不満や不安は,精神的疲労や倦怠感を増大させ,生活意欲や学習意欲を減退させる要因となると述べている.
対象者および方法
対象は,作業療法士学科夜間部69名(2年33名,3年15名,4年21名)ナラティヴスロープを用いて月ごとに10段階で点数をつけてもらい学校,仕事,プライベート,その他で要因を選択,選択理由を記載.その結果を学年ごとに集計し平均を算出し各学年の特徴をまとめる.
結果
全学年にわたり1年間の気分の変化には学校が多く関係していることが分かった.また,5点以下の点数で学校を選択している人の自由記載では,準備不足や先への不安が多く見られた.
結論
各学年の特徴をもとに,1学年上のナラティヴスロープを参考にすることにより対策が可能になり,学校が関係する精神状態の低下を予防できるのではないかと考える.また,今回の研究では4年生の1年間のデータが不足している為,今後研究を引き継ぐことで,より対策が可能になり学生の精神面の安定につながるのではないかと考える.
1)速水修・他:学生生活の満足状態と精神的健康状態について.北海道教育大学紀要.1983,97-104.
2)門田新一郎:学生の健康管理に関する研究-学生生活の満足度と疲労感について.学校保健研究.22(1),1980,140-144.