卒業研究発表

音楽が作業活動に与える影響

― 意味のある音楽を通して ―

2019年度 【作業療法士学科 夜間部】 口述演題

背景

 先行研究では,BGM聴取を行いながら検査を行うことで単純作業の向上が見られる,認知的負荷の高い作業と中等度の作業ではテンポの違いによる影響はないと述べられており,意味ある音楽の聴覚刺激が意識,無意識的作業にどのように影響するのかを明らかにし,その結果から考察を行った.

対象者及び方法

 本校作業療法士学科学生男女30名に対し,無音・BPM160・自分の好きな音楽を聴いた環境で,無意識的作業(封筒作業),意識的作業(文章課題)をし,その後環境ごとにアンケートを行う.

結果

 一元配置分散分析及びTukey法を用いた結果,有意差が見られたのは22項目中5項目であり,そのうち「無音-BPM160」で1項目,「無音-好きな音楽」では4項目の有意差が見られた.

考察

 無意識的作業では音楽刺激に意識を向けやすい.その為「作業をより楽しく行う」という心理効果を目的として音楽を使用することは有効であると考える.精神科作業療法において,好きな音楽を聴きながら作業をすることで,音楽を楽しむ体験と参加意欲向上から自閉傾向改善に努めることが可能であると考える.また,意識的作業ではストレスにより「やめたい」「つまらない」という感情を抱きやすい傾向があり,好きな音楽を用いることで,それらの感情を和らげる効果があると考える.

記事一覧
大阪医療福祉専門学校 TOP

CATEGORY MENUカテゴリーメニュー

もっと詳しく知りたい方は