卒業研究発表

頚部屈曲角度の違いが筋に及ぼす影響について

― 表面筋電図を用いた筋疲労の分析 ―

2020年度 【理学療法士学科 夜間部】 口述演題

背景

日常生活において,頸部屈曲肢位を持続する事で肩凝り等の症状が生じる事がある.本研究は,筋電図を用いて頸部屈曲角度の違いが筋に及ぼす影響について実験を行った.

対象者および方法

対象は,頚部整形疾患の既往がない健常成人男性6名(23.20±2.34歳)である.方法は,筋電図(日本MEDIX社製,ME-3000P8)を用い,両僧帽筋(上部線維)と両胸鎖乳突筋の最大筋力(等尺性収縮)を5秒間測定し,頸部屈曲20°,40°で各々対象筋の筋電図量を測定した.課題は200gの本を把持する読書で,測定時間は10分間とした.分析値は開始5秒間と終了前5秒間の平均筋電図量(AEMG)と周波数の中央値とした.統計解析は,得られたデータの正規性を確認後(コルモゴロフ-スミルノフ検定),t検定またはMann Whitney U検定を行い,有意水準は5%とした.

結果

頚部屈曲20°,40°ともに開始5秒間と終了前5秒間でAEMG,周波数の中央値のいずれにも有意差は見られなかった.また,屈曲角の違いでも比較したが,有意差は見られなかった.

結論

今回,いずれも筋疲労を表す波形は認められなかった.実験課題の負荷量を再検討し,近年問題となっているスマートフォン操作やパソコンのタイピング等での頸肩腕部の筋疲労を追求していきたい.

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