卒業研究発表

はさみ動作の行いやすい箸の素材・形状

― 日本・中国・韓国の箸を比較して ―

2021年度 【作業療法士学科 昼間部】 口述演題

背景

箸の素材・形状の違いは食文化に由来するが,現在,箸の素材・形状の観点からの研究が少ない.箸の素材・形状による操作性の違いが明らかになれば,食事動作訓練や食事行為に使用する箸の選択の参考になると考えられる.そのため本研究では,日本・中国・韓国の箸の素材・形状の違いが,はさみ動作に与える影響について明らかにすることを目的とした.

対象者および方法

大阪医療福祉専門学校 作業療法士学科学生42名を対象とした.日本・中国・韓国の代表的な形状の箸を利き手・非利き手で使用し,30秒で皿に移したえびせんの数を測定した.

結果

三種の箸で実施した一回あたりの平均値の比較を行った.また,一元配置分散分析(p値≦0.05)を行ったがp値=0.73であり有意差が認められなかった.また,利き手の結果のみのp値=0.84であり,非利き手の結果のみのp値=0.35であった.

結論

有意差が出なかった要因として,①データのサンプル数が少なかった,②えびせんを挟むことが容易で差異が出にくかった,③熟練度の影響が,箸の素材・形状の影響より大きく出たことが挙げられた.今後研究を進める際にこれらの要因を念頭に改善し実施することが必要である.

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