パーキンソン病患者の自宅復帰に向けた環境設定
2022年度 【理学療法士学科 夜間部】 口述演題
背景
近年,パーキンソン病(以下PD)患者は1年で22.2%転倒される.PD患者の転倒場所として,ほとんどが屋内で発生している.そのため,自宅環境整備の重要性が考えられる.
対象者および方法
臨床実習で担当した80代のPD患者.研究班内で家屋構造に対する環境設定を考案し,家族,患者様が共に過ごせる環境設定を目標とした.福祉用具レンタルによる家屋設定,要介護度に合わせた介護保険サービスの利用,人的資源などを活用したプランを提案する.
結果
自宅内での転倒に対する予防策は考えられているが,転倒後の外出に対するアプローチなどは考えられていなかった.新たな提案として,家屋改修福祉用具の提案の他に外部活動として,PDカフェやPDに特化した旅行プランによる外出によって運動量の増加,精神的ストレスの減少,うつ病の予防が期待される.
結論
PD患者に対する旅行などの外出に対する取り組みが少ない.今後の課題として,医療従事者のPDに対する理解度,身体面・精神面でのサービスの提案,介護保険サービスなどの把握ができていないなどの問題点があると考えられる.