卒業研究発表

優秀演題

鵞足部痛について

― 発生機序と原因についての検討 ―

2022年度 【理学療法士学科 夜間部】 優秀演題

はじめに

変形性膝関節症の疼痛に関して,前内側領域に疼痛が多く,それに次いで鵞足領域の疼痛が多いと報告されている.今回,鵞足部痛の発生機序と原因を明らかにすることを目的とした.

症例紹介および評価,治療

両変形性膝関節症により両半月板損傷,両鵞足炎を呈した80歳代女性の患者を対象とした.評価所見として,疼痛検査では右膝内側部にNRSで5の鈍痛があり、触診では右縫工筋に過緊張を認めている.歩行観察では全周期において右下腿外旋・右足部外転位となり,右立脚期に外側スラストを認めている.治療内容としては,腓腹筋・大腿四頭筋・縫工筋・薄筋に対する横断マッサージ,機能的マッサージなどの徒手療法を実施した.

結果

上記の治療内容により,右鵞足部の疼痛軽減が認められた.また,歩行時に認められていた全周期の右下腿外旋・右足部外転位のアライメント,右立脚期の外側スラストの改善が認められた.

考察

本症例では,歩行時の外側スラストによる膝関節内反モーメントの増大に伴う鵞足構成筋の過活動によって疼痛を誘発していると考えた.過活動となっている筋に対し,リラクゼーションなどの徒手療法を実施することで筋緊張が抑制され,疼痛が軽減したのではないかと考えた.

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