卒業研究発表

小児における生活習慣病の現状と予防について

2016年度 【診療情報管理士学科】 口述演題

背景

いわゆる「生活習慣病」と呼ばれる高血圧症,糖尿病,脂質異常症などが,大人だけでなく子どもにも増加している.小児生活習慣病には,①糖尿病や消化性潰瘍のように小児期にすでに発症しているもの,②動脈硬化がすでに進行しつつあるもの,③肥満や脂質異常症,高血圧などの生活習慣病の予備軍がみられるものの3つのタイプに分類できる.その原因は,動物性脂肪のとりすぎや不規則な食事,運動不足,家庭や学校でのストレスなどが考えられる. 本研究では,生活習慣病が増加傾向にある近年,小児期より予防する策をアンケート調査し,小児の現状より予防法の一資料とすることを目的とした.

対象および方法

大阪市内の某保育園の園児42名を対象とし,食事を摂る時間,一週間の運動量,一日の睡眠量,好きな食べ物,嫌いな食べ物について平成28年7月に,以下のアンケート調査を実施した.

結果

図1に好きな食べ物と嫌いな食べ物をグラフにした結果,和食よりもカレーライスや鶏のから揚げ,ハンバーグ,ラーメン,フライドポテトなど動物性脂肪を含む食べ物を好む園児が多いことがわかった.また少数ではあるが,食事を摂る時間が夜遅い園児もいた.それの加え,保育園に通っているにも関わらず,一週間の運動量が大半の園児が2時間以上と,答えるなか30分未満と極端に少ない園児も散見された.

考察

アンケート調査より,既に生活習慣病予備軍になりそうな生活習慣の園児がいることが分かった.改善がなければ,大人になるにつれて生活習慣病になるリスクが高くなる.そのため,今日から生活習慣を改善する必要がある.偏った食事ばかりを摂取せず,嫌いな食べ物も積極的にバランスよく摂取する必要があると推察された.

まとめ

家族と一緒に食事をする頻度の少ない子どもは,食事が偏って,栄養バランスをとりにくくなりがちで肥満などの生活習慣病罹患率が高いという報告がある。(1))家族みんなで食卓を囲む団らんの場で,子どもは正しい食生活の基礎や,食事のマナーなどを学び,コミュニケーション能力を育んでいく.家族と共に毎日の食事をおいしく味わいながら食べる「共食」が,こころとからだの健康のために重要だと考えられる.また,身体活動が不足しているために,日本で年間約52,500人もの人々が亡くなっているといわれている.からだを動かすことが私たちの健康にどれだけ影響しているかが推察される.以上のことより子どもの頃より共食を心がけ,少しでも多くからだを動かすことが生活習慣病のリスクを減らすことに有効だと考えられた.

文献

1) 健康寿命を伸ばそう(internet) http://www.smartlife.go.jp/disease/nutrition/

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