卒業研究発表

服装によって変わる人から見られる印象

― 女子学生編 ―

2016年度 【作業療法士学科 昼間部】 口述演題

はじめに

人は匂い,表情,態度,化粧,髪色,話し方,服装などで第一印象を決める.その中でも容易に変える事の出来る服装に着目した.実習時の第一印象を良くし,その後の実習がスムーズに行くきっかけにする.

方法

対象:教員20人(男:13名,女:7名),平均年齢:38.45±6.63歳,学生40人(男:5名,女:35名),平均年齢:19.53±1.99.アンケート:親しみやすさ,社交的,積極的な,意欲的な,感じのよい,をそれぞれ評価してもらう.方法:女子学生の全身写真を用いる.写真は前向きに直立したもので,学生が実際に実習の二日目に着用した通学服をクラスの中から無作為に選出した.顔面部分は隠して刺激を統制した.倫理的配慮:アンケートは無記名で行い個人情報の保護に努める.アンケートへの回答は自由意志とし,回収されたものを同意したものとして考える.分析方法:マンホイットニーU検定を用いる.

結果

写真1では,【感じのよい】に差が見られた.学生に比べ教員の印象が良かった.写真2では【意欲的な】と【感じのよい】に差が見られた.教員に比べ学生からの印象が良かった.写真3では【社交的な】に差が見られた.学生に比べ教員からの印象が良かった.写真4では【社交的な】と【積極的な】に差が見られた.どちらも教員に比べ学生からの印象が良かった.

考察

写真1は落ち着いた印象の服装のため,学生・教員共に【感じがよい】となると予想したが,学生からの印象は良くなかった.写真2ではスカートの裾がはためいていることから教員からの印象が悪いと予想していたが,他の項目では大差がなく【社交的な】と【感じのよい】の項目で学生からの印象が悪かった.写真3では主張の強い色やロゴだと学生からも教員からも印象が悪いと予想していたが教員に比べ学生から社交的に見られなかった.写真4では【社交的な】【積極的な】の項目で,学生に比べて教員からの印象が悪かった.以上の結果より,教員と学生の印象に差が生じる事が明らかとなった.

結語

今回の研究で教員と学生の間に服装に対する印象に差があることが明らかになった.その対策として実習に行く際には,実習指導者・教員と同年代の人や親に服装を事前に確認し,第一印象で失敗しないようにする.そして,学生と教員の間には服装に対する印象に差があることを知っておき,その後の実習がスムーズにいくようにする.しかしなぜそう思うか具体的な理由までは追及出来なかったため,今後の課題とする.

文献

1)鈴木正文・他:縞柄の見え様と服装イメージの研究(上衣の大きさとイメージ).01,文化女子大学紀要.27,1996,81-93.

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