卒業研究発表

高齢者の低栄養とリハビリテーション

― 低栄養患者の予後 ―

2019年度 【理学療法士学科 夜間部】 口述演題

背景

 臨床実習において低栄養患者を担当し,リハビリテーション(以下リハ)の進行に難渋した.低栄養について文献を用いて研究した結果をここに報告する.

症例紹介

 年齢60代女性,身長143㎝,体重39.0㎏,診断名は急性胆嚢炎,廃用症候群,血液データはAlb(基準4.0~5.0)7月24日:1.7,7月31日:2.4,CRPは7月24日:14.3,7月31日:3.95であった.

考察

 低栄養状態は血液中のAlb値を中心にして判断されている.このAlbの低下は炎症による血液中の蛋白質が減少時(Albには炎症を代償により鎮静化させる作用をもつ)や,慢性的な栄養障害の患者によく見られる.低栄養でのリハは,適切な運動負荷の設定(3Mets以内の運動負荷).適切な栄養管理の設定(消費エネルギー,必要摂取エネルギーの計算等)を考慮しなければ二次的サルコペニアのリスクが発生し,かえって逆効果になりうるため危険である.

結論

 低栄養状態がサルコペニア,ロコモティブシンドローム,寝たきりに陥るという一連の関係性が今回の研究でより理解できた.今回はある程度の自活動が可能な方であったが,寝たきり患者のケースや消化吸収能力に問題がある人の場合も今後追究していく必要があると考えられた.

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