質的要素と運動要素に応じたトレーニングがチームの仕上がり状態に及ぼす影響について
― 中学・高校運動部員のアンケート調査より ―
2020年度 【理学療法士学科 夜間部】 口述演題
背景
本校メディカルトレーナー部では,中学と高校運動部を対象にトレーニング,コンディショニング指導を行っている.介入する中でトレーニング内容に偏りがあるチームが多い事に気づいた.トレーニング内容の偏りがチーム状況に与える影響を明らかにし,中学と高校運動部に必要なトレーニングを提示するため,調査を実施した.
対象および方法
対象は,本校理学療法士学科昼間部1,2年,夜間部1,2,3年の学生男女28人を対象に,アンケートを実施した.得られた結果から,目標に見合う仕上がり状態に到達した群 (10 名)と到達しなかった群 (18 名) の2 群に分け,マン・ホイットニーの U 検定を用いて比較した.
結果
調査結果より,質的要素を意識したトレーニング実施の有無について,技術力では明らかな差を認めず,基礎体力の5項目中,敏捷性やバランスに自信無しと回答した人は,同時にトレーニングも実施していないという傾向が見られた.また,競技特性に応じたトレーニングは有意差を認めず,両群共に肩甲骨,腱板トレーニングの実施数が少なかった.
結論
基礎体力トレーニングの偏りや競技特性に応じたトレーニングの不足,トレーニングを実施する重要性理解の乏しさが2群間の差になっていると考えられ,今後,中学と高校運動部に介入する際に助言する必要がある.