卒業研究発表

日本の災害避難所における問題点とスフィア基準に沿った避難所運営の考察

2020年度 【作業療法士学科 夜間部】 口述演題

背景

日本は災害大国である.毎年のように災害が発生しているが,避難所の環境は整備されておらず,内閣府も日本の避難所環境はスフィア基準以下であると認めている.

方法

Google Scholar・CiNiiにて「避難所」をキーワード検索し,避難所運営について記載があるものを抽出,災害名・発生時期・発生事例を単純集計し,類似した項目を分類する.対象文献は50本である.

結果

避難所における問題が発生した災害は東日本大震災が最も多く,発生時期は災害発生直後~災害発生後3ヶ月後であった.また,問題項目においては物資不足,生活不活発,感染リスク,プライバシーがない,要支援者への配慮不足,運営破綻,孤立,対人トラブル,避難経路の未確保,性暴力があった.

結論

スフィア基準に沿った避難所運営においては,まず対象者を細かく分類する必要がある.災害時には社会が内包する差別・偏見がより顕在化するため,子ども,高齢者,ジェンダー,障害者,性的マイノリティなどの人々にどのようなリスクがあり,それを解消するためにどんな環境設定が必要なのか考える視点が不可欠である.また,給水,トイレ,食事,居住スペース,家庭用品,保健医療についても,被災者の生命を守るための重要項目として,最低限スフィア基準を満たした数が必要である.

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