バリアフリーマップアプリの認知度と医療学生が考える今後の可能性
2020年度 【作業療法士学科 昼間部】 口述演題
背景
中田らは,多くの障害者や高齢者にとって外出しやすい環境づくりが進んでいるが,外出時に不満に思うことがあると回答した人は多いと述べている.また,熊木らは,車椅子対応トイレを調べると公共機関などに多くあるが,その案内標識を発見するのが困難なところが多かったと述べている.
対象者および方法
対象は,本校作業療法士学科38名,理学療法士学科31名,視能訓練士学科53名.バリアフリーマップアプリ(以下アプリ)についてのアンケートをGoogleフォームを使用し実施した.
結果
アプリを知っている人が16.4%,知らない人が83.6%であった.バリアフリーへの意識は,アプリを知らない人ではやや高いが24.5%であり,知っている人では高いが10%,やや高いが40%となった.カイ二乗検定ではアプリを知っている人より知らない人が優位にバリアフリーへの意識が低かった(P<0.01).
結論
アプリを知ることでバリアフリーに対する意識が高まる可能性があると考えられる.現在アプリを知っている人は少ないが,認知度が高まり意識の高い人が増えることで,外出したい障害者の手助けをできる人が増え,不満が減り外出の機会が増えるのではないかと考える.また,障害者自身がアプリを知り介助者に情報提供することで,社会参加の機会が増える可能性があると考える.