卒業研究発表

音楽が柔軟性に与える影響について

― 副交感神経に作用する音楽に着目して ―

2020年度 【理学療法士学科 昼間部】 口述演題

背景

病院のリハビリテーション(以下,リハ)室でよく音楽が流れている.副交感神経に作用する音楽を聴取することにより柔軟性が向上するという先行研究から,その先行研究で使用された音楽とは別の副交感神経に作用する音楽でも同様の効果があるか検証するため,本研究を行った.

対象および方法

対象は,本校理学療法士学科昼間部3年35名(男性8名,女性27名,年齢 20.8±1.1)とした.方法は,3分間静寂空間の中,音楽聴取群(ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第15番 イ短調)とコントロール群(無音状態)に分け,介入前後での膝伸展位股関節屈曲角度(以下,SLR)の測定を行った.

結果

音楽聴取群,コントロール群とで全体平均のSLR角度の前後比較を行った.前者は対応のあるt検定を行ったところ有意差が認められ(p<0.05),柔軟性が4.58°向上した.また,後者はウィルコクソンの符号順位和検定を行ったところ有意差が認められ(p<0.01),柔軟性が3.58°低下した.

結論

結果より,別の副交感神経に作用する音楽でも柔軟性が向上することが示唆された.このことから,今後治療において術後早期より患者様に副交感神経に作用する音楽を聴取してもらうことで,柔軟性の向上を図ることが期待出来ると考えた.

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