卒業研究発表

労働世代の円背指数と身体所見との関係

2020年度 【理学療法士学科 夜間部】 口述演題

背景

先行研究より,高齢者に対する円背指数と機能障害の関連性については報告されているが,若年者に対する円背指数についての報告はみられないため,本研究において明らかにすることを目的とする.

対象および方法

本校学生(腰痛有り群7人,腰痛無し群13人,年齢22±4歳)に対し,円背指数,SLRについて計測した.円背指数についてはMilneらの式を用い,その割合を円背指数(彎曲頂点距離÷C7-L4を結ぶ直線×100)として算出した.得られたデータより円背指数大群と小群に分け,また,腰痛あり群と腰痛無し群に分けた後,SLRの左右差をMann-WhitneyのU検定で統計解析を行った(有意水準5%)

結果

腰痛有り群と腰痛無し群では有意差が認められた(p=0.04)が,円背指数大群と円背指数小群では有意差が認められなかった(p=0.23).

結論

今回,有意差が認められたことより,腰痛あり群ではSLRの左右差が大きいことが示唆された. また,有意差は認められなかったが,若年層の安静時円背指数の平均値は9.6であり,寺垣らの円背指数正常値9.2±2.5の範囲内に分布する結果となった.今後は,若年女性と労働者世代にも検査測定を行い,性差や年代による差異を比較検討し,円背指数と各身体所見との関係性を明らかにしていきたい.

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