OT学生・PT学生の発達障害に対する基礎知識が発達障害者へのイメージに及ぼす影響
2020年度 【作業療法士学科 夜間部】 口述演題
背景
発達障害に対する基礎知識と発達障害への態度の一部に正の相関がみられたと,福島らは述べている.OT学生とPT学生においても,基礎知識が発達障害者へのイメージに影響すると考えた.
対象者および方法
本校OT学科81名,PT学科215名を対象に,発達障害に対する基礎知識10項目,発達障害者へのイメージ15項目をアンケート調査した.
結果
基礎知識の平均点はOT学生6.43点,PT学生4.99点.発達障害と環境に関連する2項目において,両学生の正解率の差が41pt,21ptあった.発達障害者への接し方のイメージに対する質問項目では,マン・ホイットニーのU検定を行った結果,両学生間に 8項目中7項目に有意差がみられた(p<0.05).基礎知識と発達障害者へのイメージは,スピアマン順位相関分析を行った結果,有意差はみられなかった(|r|<0.4,n.s.).
結論
発達障害に関する授業経験の差が,両学生の基礎知識の差に影響したと考える.接し方のイメージは,両学生の当事者意識の差が影響したと考える.PT学生であっても,発達障害に誤った認識があることから,OTが他職種に発達障害の理解を促す必要があるのではないかと考える.