盲導犬に対する医療系専門学生の理解度調査
2020年度 【視能訓練士学科 3年制】 口述演題
背景
新島らは,「身体障がい者補助犬の日本社会への浸透度はいまだ充分とはいえない」と述べている.盲導犬同伴の患者が来院した際に適切な対応をとれるよう,将来医療従事者となる医療系専門学生が,正しい知識と対応方法を認識する必要があると考えた.そのため視覚障がい者の誘導方法である盲導犬の印象・役割および盲導犬受け入れに対するイメージについての調査を行なった.
対象者および方法
本校視能訓練士学科73名(男性2名,女性71名),年齢22.0±2.6歳を対象に,Googleフォームにて無記名アンケートを行った.アンケートは動画視聴前後の2回実施し,盲導犬の理解度の変化を比較した.動画は「人と盲導犬が笑顔で歩く社会へ」【教育用】盲導犬の基礎知識と私たちにできること(公益財団法人 日本盲導犬協会公式チャンネル)を用い,分析方法はt検定(対応あり)を用いた.
結果
動画視聴前後で,盲導犬の役割において正しい項目ではp=0.17(p>0.05)で有意差はなかったが,誤った項目ではp=0.049(p<0.05)で有意差がみられた.
結論
盲導犬の役割について誤った知識の改善がみられ,動画視聴により,盲導犬の理解度向上への介入ができた.