卒業研究発表

お皿と前腕回内角度の関係性

― 万能カフを使用したスプーンでの食事動作 ―

2021年度 【作業療法士学科 昼間部】 口述演題

背景

先行研究より,スプーンでの食事動作で一番容易にできる前腕回外角度について報告されているが,万能カフを使用した場合の報告はみられない.そこで万能カフによるすくいやすい前腕回内角度と食卓で用いられている各皿の形状との関係性を本研究において明らかにすることを目的とする.

対象者および方法

対象は,本校作業療法士学科31名(男性8名,女性23名)とした.万能カフを使用して各皿(飯椀,汁椀,中皿)1回ずつ小豆をすくってもらう実験と実験後に各皿のすくいやすさについてアンケートを実施した.

結果

小豆をすくった平均個数で一番多い前腕回内角度は,飯椀60°,汁椀60°,中皿45°となった.その中でも一番すくいやすいのは飯椀であった.皿の高さ(深さ)は適度なものが好ましく,進入時に手が皿の縁に当たることから皿の直径と勾配が前腕回内角度に影響していることがわかった.

結論

把持力低下のある対象者に対して,万能カフを使用する場合,機能面として関節可動域前腕回内60°を維持し,環境調整として飯椀を使用することがストレスなく食事を行うことにつながるのではないかと考えた.

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