卒業研究発表

電子カルテの導入と使用感についての調査

2021年度 【診療情報管理士学科】 口述演題

背景

1999年に電子カルテが正式に誕生してから約20年が経過した.当初に比べ導入や管理が容易になっているが,2017年の厚生労働省による電子カルテシステム等の普及状況の推移に関する調査では,病床規模によって普及率に差があることが分かる.本研究では,電子カルテ利用の現状を知ることで,今後電子カルテが病床規模に関係なく普及するための課題を見出すことを目的とした.

対象者および方法

対象は,大阪市内の病院166箇所(200床以上39箇所,199床以下127箇所)と,大阪府大阪市東淀川区,旭区,都島区にある診療所276箇所.Googleフォームにて独自のアンケートを作成.QRコードを記載した紙面を郵送し,回答を求めた.回収率は10.6%であった.

結果

電子カルテの導入率は200床以上が100%,199床以下が50.0%,診療所が54.5%であり,予想に反して199床以下の導入率が低く,理由としてシステム管理の人材やコスト面が挙げられた.

結論

電子カルテ導入のメリットよりコスト面などのデメリットが上回り,中小規模の医療機関ほど電子カルテの普及が進みづらいと考える.診療所の導入率が高いのは,新設された診療所が多いからだと考える.今後の電子カルテには,患者と医療機関の両方に利益になる仕組みが必要である.

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