卒業研究発表

超音波画像診断装置を用いた上腕骨後捻角を考慮した肩関節外旋可動域の検討

― 投手経験者と非経験者を比較して ―

2021年度 【理学療法士学科 夜間部】 口述演題

背景

諸家により野球の投手は投球側と非投球側で上腕骨後捻角に差があることが指摘されている.今回,上腕骨後捻角の肩関節可動域への影響を検討することで,投手の身体特性の把握を試みた.

研究の方法

本研究では,平均年齢21.4歳(±3歳)の男性17名を対象に,野球経験者と非経験者の間で利き手(投球側)と非利き手(非投球側)の肩関節可動域の差を評価する目的で,45度外転位および2nd肢位での肩関節外旋可動域を上腕骨後捻角の値を除いた補正外旋可動域として超音波画像診断装置を用いて計測し,骨性因子による影響を検討した.

結果

野球の投手経験者において投球側は非投球側に比べて上腕骨後捻角とこの数値を除いた外旋 角度は大きくなる傾向にあった.しかし,上腕骨後捻角と補正外旋可動域の関係性については統計学的有意差を認めなかった.

結論

野球の投手経験者では,非経験者に比べ上腕骨後捻角の開大がみられた.上腕骨後捻角は成長に伴い減少していくと報告されているが,成長期に多投した投手は上腕骨後捻角の減少が抑制されることが示唆された.

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