卒業研究発表

白内障シミュレーション下のマスク着用者に対する表情認識

2021年度 【視能訓練士学科 3年制】 口述演題

背景

COVID-19感染対策でのマスク着用により鼻部と口裂周囲の表情筋が隠れ,表情認識が困難になる.特に白内障患者では視力とコントラスト感度の低下により表情認識が一層困難であると予測されるが,進行は緩徐のため無自覚のままコミュニケーションに影響を与える恐れがあると予測した.そこで白内障患者の見え方シミュレーション下におけるマスク着用者の表情認識への影響について検討した.

対象および方法

対象は眼疾患がなく矯正視力1.5以上の6例(平均年齢21歳).方法は同一人物で表情の異なる3種の顔写真(マスク着用及び非着用下)を使用し表情の認識困難となる白内障シミュレーションのフィルター濃度(フィルター枚数)を確認した.フィルターの視能への影響として視力とコントラスト感度(csv-1000)を測定した.

結果

表情の認識困難となるフィルター枚数は,マスク非着用写真では平均4枚,マスク着用下では平均2.5枚で,小数視力はそれぞれ約0.3,0.6であった.コントラスト感度は、全ての空間周波数領域で感度低下が認められた.

結論

白内障患者はマスク着用者に対する表情認識が非着用者と比較し困難であることが示唆された.

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