大阪医療福祉専門学校学生における,災害への備えの実情
2021年度 【作業療法士学科 昼間部】 口述演題
背景
近年大規模災害が予測される中,今後リハビリ学生は,市民としてだけでなくリハビリ専門職として被災地域や要配慮者の支援に関わることが求められる.そこでまずは,一市民として身の回りの防災から取り組むことを考え,本校学生における災害への備えの実情を調査した.
対象者および方法
対象は,本校作業療法士学科91名,理学療法士学科130名,言語聴覚士学科28名の合計249名である.グーグルフォームにてアンケートを配布した.解析方法は単純集計を用いた.「災害に対する備えをしているか」「災害に対する備えの実施内容」など質問項目は全24項目である.
結果
災害に対する備えをしているかの問いには,「少し備えている」が全体の47.0%であり,一つも備えを行っていないのは全体で1.6%だった.備えの内容としては,水の準備が65.1%,食品の準備が53.4%,ICT機器の充電は39.0%であり,少なかったのは避難用の靴の9.2%という結果だった.
結論
「日常備蓄」として常にキープしておく分とされる水や食品については,半数以上の人が備えているものの,「ICT機器の充電」のみなど備えとして十分とは言えない回答もみられた.今後は,今回の調査に留めず,学生の「備えの質」を向上するための取り組みを検討することが必要と考える.