卒業研究発表

振動刺激が関節角度の判断向上に及ぼす影響

― 振動時の圧を統一して ―

2021年度 【理学療法士学科 昼間部】 口述演題

背景

近年,振動刺激がリハビリテーション領域において関節位置覚の判断向上に有効であることが神里らの先行研究において報告されている.本研究は昨年雨田らが行った研究を改変して行った.

対象および方法

対象は本校理学療法士学科3年30名(男性16名,女性14名,年齢20~25歳)で,無作為に15名ずつ振動群と対照群に割り付けた.両群とも肘関節屈曲60°を記憶させた後,対象者が判断する60°を3回計測し,その後振動群は上腕二頭筋筋腱移行部に0.3Nの圧で40秒間の振動刺激を行った.対照群には40秒間休憩を取らせ,再度両群の対象者が判断する肘関節屈曲60°を計測し,前後の誤差角度を統計学的検定により比較検討した.全ての有意水準を5%とした.

結果

振動群介入前後に有意差が認められたが,振動群介入後と対照群休憩後との間に有意差は認められなかった.振動群で肘が動いたという錯覚を感じたのは15名中7名であった.

結論

今回,振動刺激が関節角度の判断向上に有効かは明らかにできなかった.錯覚を感じた対象者が半数以下だったことから振動圧が一定に出来ていない可能性がある.今後,振動圧を0.3Nに統一できるよう研究デザインを再考し,研究を継続していく必要があると考える.

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