運動時におけるマスク着用が身体に及ぼす影響
― 呼吸,循環器機能の観点から ―
2021年度 【作業療法士学科 昼間部】 優秀演題
背景
COVID-19の流行により,マスク着用を強いられることとなり,日常生活で息苦しいと感じることが多くなった.そこで,運動時におけるマスク着用が呼吸,循環器機能に与える影響を明らかにすることを目的とした.
対象者および方法
対象は呼吸器疾患を持たない20~50代の男女計19名.マスクありとマスクなしで3分間の階段昇降を実施し,それぞれ安静時と運動直後にSpO₂,脈拍,主観的運動強度,呼吸数を測定した.
結果
SpO₂と呼吸数はマスク着用による差が見られなかった.しかし,脈拍と主観的運動強度はマスク着用により数値が増加し,回復も遅くなった.以上の結果から,循環器機能に負担がかかっていることがわかった.
結論
マスク着用により運動時における主観的運動強度の回復が遅いという結果から,息苦しいと感じていることがわかった.しかし,SpO₂には大きな変化はなかった.これは,主に脈拍の増加で酸素供給を行ったからであると考える.