AYA世代とがん
― 現状調査と予防意識向上を目指して ―
2021年度 【診療情報管理士学科】 優秀演題
背景
がん登録に関する授業を受け調べるなかで,AYA世代(adolescent and young adult;15歳~39歳)のがん患者の割合が高いことを知り驚いた.そこでこの事実の認知度を高めることや,検診の必要性,早期発見の重要性を広めることを目的とし,本研究を行なった.
方法
国立がん研究センターの全国がん罹患データや小児・AYA世代:がん罹患データを元にデータを収集.その後10代,20代の計246名を対象にGoogleフォームを用いた,がん検診認知度アンケート調査を実施し,AYA世代の意識調査を行った.
結果
AYA世代のがん罹患率は人口10万人あたり15~19歳で14.2人,20歳代で31.1人,30歳代で91.1人であった.特に女性では年々20歳~30歳代にかけて乳がん,子宮頸がん,甲状腺がんの増加が著しかった.認知度調査ではがん検診の知名度は93.5%と高かった.
結論
AYA世代は他の世代に比べSNSを多用するため,がん検診を受けた際,SNSで「#がん検診」を投稿することで特典を用意することを提案したい.また,がんに罹患した際のリスクを示したポスターを作成し,早期予防を広めることで,AYA世代にがんを身近なものと感じられるよう努めたい.