味覚刺激が立位体前屈に与える影響
2022年度 【理学療法士学科 昼間部】 口述演題
背景
先行研究において,味の質の違いによって自律神経活動や生体反応において様々な影響を与えることが示唆されている.それらを明らかにするため,実験研究を行った.
対象者および方法
本校理学療法士学科昼間部2,3年生の男女計30名を対象とし,立位体前屈時の指床間距離(以下,FFD)(単位:cm)をアウトカムとした.手順は,1回目は3群とも安静後にFFDを計測,2回目は3群とも30秒間水を口に含み吐き出した後FFDを計測,3回目はA群は砂糖を,B群はクエン酸を,C群は水を各々30秒間口に含み,吐き出した後FFDを測定した(各群10名).統計解析として混合計画による二元配置分散分析(反復測定)を行い,有意水準は5%とした.
結果
時点の主効果に有意差が認められ,検定の結果1回目と2回目,1回目と3回目に有意差がみられたが,群間と交互作用とに有意差は認められなかった.
結論
甘味と酸味刺激により,立位体前屈が増大することが先行研究で報告されているが,本研究では先行研究を支持する結果とならなかった.味覚は閾値や好みに個人差があるため,個人特性を配慮した実験デザインを再考する必要があると考える.