卒業研究発表

左変形性膝関節症を呈し,単顆型人工膝関節置換術を施行した症例

― 疼痛の心理的要因に着目して ―

2022年度 【理学療法士学科 夜間部】 口述演題

背景

左変形性膝関節症に対する疼痛機序は様々な要因が考えられる.本研究では,疼痛と心理社会的要因の関係性について文献研究を行った.

症例紹介

本症例は80代の男性で左変形性膝関節症により単顆型人工膝関節置換術(以下,左UKA)を施行された.6年前に脳梗塞を発症している.温厚な性格でリハビリテーションにも積極的だが,無理をしてしまう傾向がある.膝関節疼痛に対する服薬は投与されていない.

評価

左UKA施行後,14日目から学生が介入して評価・治療を行った.左膝関節屈曲角度は初期評価105°で最終評価では115°であった.炎症所見は初期から最終にかけて軽減がみられたが,左膝関節疼痛は初期・最終ともに他動屈曲時でNRS4であり,変化が見られなかった.

考察

疼痛の原因に侵害受容性要因,神経障害性要因,心理社会的要因があるが,今回経験した症例は,心理社会的要因が関与することが考えられ,それがADLにも影響を及ぼすことが示唆された.炎症期を過ぎた慢性疼痛の訴えがある患者に対し,認知行動療法が疼痛の軽減に繋がることが報告されている.評価を基に患者に合ったリハビリテーションを行うことが大切であると考える.

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