色の組み合わせによる食欲増幅効果
2022年度 【視能訓練士学科 3年制】 口述演題
背景
近年Social networking serviceの普及により写真を撮影する機会が増加している.カフェを中心に飲食店では色彩豊かな皿が使用されるようになっている.また,家具量販店などの看板は補色を使用することでコントラストが明瞭となり目を惹くよう造られている.このことから見えやすさと食欲増幅効果に相関性はあるのか疑問を持ち本研究に至った.
対象者および方法
研究対象は,本校学生239名を対象とし,皿は補色関係にある赤・緑,黄・青の4色とその中間色を使用した.Googleフォームにてマグロ,枝豆,ほうれん草,紫芋,玉子焼きの食材で皿の色を10通りに分け,美味しそうに見える組み合わせについてアンケートを行った.
結果
すべての食材で黄色の皿が高い評価を得た.また黄緑や橙などの暖色が上位を占めていることから,器を色彩変化させた場合でも補色に関係なく暖色がアンケート上位となった.
結論
補色関係と食欲増幅効果に相関性があると考えたが,福田らの論文から補色の使用により見えやすくなる効果が得られることが分かる.しかし今回の結果から,見えやすさと食欲増幅効果に相関性はないと考えられる.