臀部への感覚入力が座位動的バランスに及ぼす影響について
2022年度 【理学療法士学科 昼間部】 口述演題
背景
川口らは,安定した立位・歩行は足底からの正常な感覚入力が必要と述べている.
対象者および方法
対象者は大阪医療福祉専門学校理学療法士学科昼間部3年(男子10名,女子10名)の20名とし,利き手側の臀部にタオルで30秒間圧を加え臀部への感覚入力を行う介入群と,臀部への感覚入力を行わず1分間安静座位をとるコントロール群の座位側方リーチ距離と重心軌跡移動距離(UM-BARⅡ)を測定し比較分析した.被験者は同一で対応ありとする.
結果
介入群とコントロール群2群間の母平均の差の検定を行い,重心軌跡移動距離は介入群がコントロール群と比較して優位な増加が認められた.また,側方リーチも同様に介入群がコントロール群と比較して優位な増加が認められた.
結論
介護老人保健施設3施設において,1年間のベッド上座位からの転倒・転落事故は112件であった.本研究結果から臀部への感覚入力により座位動的バランスが向上することが明らかになり,ADLが低下している患者様のベッド上座位生活においての転倒・転落リスク等の事故防止や生活の幅を広げる一助になると考えられる.