箸動作の利き手交換訓練時における矯正箸の有用性の検討
2022年度 【作業療法士学科 夜間部】 口述演題
背景
現在でも学習効果が得られる非利き手での箸動作の訓練方法が模索されているが,矯正箸を用いた利き手交換訓練を行った研究は散見されない.本研究では矯正箸が利き手交換訓練における箸動作を習得することができる福祉用具として活用できるかどうかを明らかにすることを目的とした.
対象者および方法
大阪医療福祉専門学校在籍の健常者24名に対して合計40分の箸操作実験を実施した.方法は矯正箸を使用する介入群と矯正箸を使用しない非介入群にランダムで半数ずつ分かれ,箸操作訓練を実施後,測定した介入前後の大豆移動個数,主観的難易度と操作性のVASをt検定にて統計処理を行った.
結果
大豆移動個数は介入前後,介入の有無による有意差は見られず,VASでは介入前後における有意差が矯正箸を使用しなかった非介入群でみられた.
結論
今回の実験において練習期間の短さと介入群における学習効果の反映しづらい練習方法の影響により矯正箸の有用性を確認することができなかった.今後は練習期間の延長と介入群における練習方法の検討により矯正箸の有用性を検討していく必要がある.