尾骨骨折患者に対する食事動作への環境的アプローチ
2022年度 【作業療法士学科 夜間部】 口述演題
背景
森河らの長時間座位保持困難な症例に対する椅子,クッションを工夫する研究によると,椅子やクッションを工夫することで長時間の座位保持を可能になると明らかになっていた.
対象者および方法
座位保持困難な尾骨骨折を呈した20代前半の女性を対象とした.8種類のクッションに15分座り,VASで痛みの評価を行った.同じ環境で行い,測定に影響が出ないように行った.
結果
VASで疼痛度合いと15分座位を測定した.疼痛と時間はそれぞれ比例した結果となった.VASの結果が高いものはタオルであった.ロホクッションとタオル時の姿勢の変化を観察したところ,ロホクッションは臀部と足底の体圧が均一に分散できていたが,タオルでは疼痛が強まり足底の荷重が多くなった.
結論
骨折患者の疼痛の発生機序である血管と神経の損傷によって生じるため,ロホクッションを使用することで体圧分散ができ,対象者の座位時間が延長した.また,体幹の安定性を獲得できたため,付随する上肢機能の向上にも繋がった.