Zoomでの発話速度の変化による理解度の違いについて
2022年度 【作業療法士学科 昼間部】 優秀演題
背景
2020年にCOVID-19のパンデミックが発生し,オンライン診療の活用が国策により提言された.山下巌はこれにより,医療のICT化は,実臨床の場面で進むことは間違いないと唱えている.
対象者および方法
本校作業療法士学科昼間部3年生21名を対象とした.手順は,1.「7つの言葉とその意味」を紹介したパワーポイントの視聴,2.Googleフォームを使用して製作されたテストの受験,3.アンケートをGoogleフォームにて実施.これを3パターンの発話速度(普通,早い,遅い)でランダムに実施した.方法は,これらの手順で得たテストおよびアンケート結果で一元配置分散分析を実施した.また,このときテスト結果を客観的な理解度,アンケート結果を主観的な理解度と定義した.
結果
客観的な理解度では遅い速度での平均が高く,主観的な理解度では早い速度での平均が高い傾向にあった.また,客観的な理解度での普通の速度と遅い速度の間にのみ有意差(P<0.05)が認められた.
結論
発話速度は理解度に影響を及ぼしていることがわかった.しかし,客観的な理解度と主観的な理解度では結果が異なっていた.このことからZoomでのコミュニケーションにおいて内容理解,または快適感など重視するべき目的に沿って発話速度を使い分ける必要があると考えられる.