作業療法士養成校学生のシャイネスレベルと実習達成感の関連
― シャイな学生が実習達成感を上げるには ―
2022年度 【作業療法士学科 夜間部】 優秀演題
背景
原田は,実習で得られた達成感が自信となり,実習後における学生の学習意欲向上につながると述べている.対人消極傾向のあるシャイネスレベルの高い学生は,達成感獲得を阻害され,学習意欲に負の影響を与えるのではと考えた.
対象者および方法
作業療法士養成校学生のうち実習経験のある学生132名にシャイネスと実習達成感についてアンケートを実施し,アンケート結果から抽出した21名に対しインタビューを行った.結果は,スピアマンの順位相関係数とうえの式質的分析法を用いて統計処理と各因子の図解を行った.
結果
低シャイネス学生の76.9%は高達成であったが,高シャイネス学生では62.5%に留まった.スピアマンの順位相関係数では,やや弱い負の相関が見られた.うえの式質的分析法では,低達成の要因に「脆弱な内的自己」「不明瞭な目標設定」「対人関係の苦手意識」などの因子が挙げられ,高達成の要因に「俯瞰的な自己認識」「明確な目標設定」「課題への積極的姿勢」などの因子が挙げられた.
結論
シャイネスレベルが高くても,自己洞察で得られるメタ認知スキルと具体的で達成可能な目標を立案できる目標設定スキルを高めることで,実習達成感を得られるのではないかと考える.