学科紹介

言語聴覚士とは?
これから本格的に地位が高まる将来性豊かな医療系資格

言語聴覚士(げんごちょうかくし)という職業があります。

数ある医療系資格のひとつで、言語聴覚士になるには国家試験に合格した有資格者である必要があります。国家試験の有資格者でなければならない点においては、医師や看護師と同じです。

しかし、私たちは普段の生活で言語聴覚士のお世話になることがあまりないため、どんな職業なのかあまり説明できないという方も多いのではないでしょうか。

言語聴覚士の仕事内容を端的に表す言葉として、「話す、聞く、食べる、のスペシャリスト」があります。これは言語聴覚士の公式団体である日本言語聴覚士協会が用いているもので、この1行に言語聴覚士の仕事が見事に表現されています。というのも、言語聴覚士の3大専門分野がそれぞれ、言語障害と音声障害(話す、聞く)、そして摂食・嚥下障害(食べる)だからです。これらの障害を持っている方に対する専門的なケアや支援などを行うのがそのスペシャリストである言語聴覚士です。

なお、英語では「Speech Language Hearing Therapist」というので、その最初と最後の言葉をとってSTと表記されることもあります。

言語聴覚士の職業としての需要はどうでしょうか。

言語聴覚士の有資格者は約35,000人ほどおり、毎年約1,500人ほどの人が新たな有資格者となっています。医師は32万人台で看護師が121万人台であることと比べると圧倒的に少ないことが分かります。この有資格者の少なさも言語聴覚士の知名度に影響しているものと思われます。

有資格者が少ない一方で、言語聴覚士の専門分野である「話す、聞く、食べる」に関連する障害を抱えている方は高齢者を中心に増え続けています。これからも日本は高齢化社会が進んでいくことは明白なので、高齢者の人口が増えることと比例して言語聴覚士の役割は大きくなっていると考えられています。

言語聴覚士は主に「話す、聞く、食べる」という3つの分野においてリハビリに携わります。リハビリというと手足を動かしたりといったトレーニングを想像する人が多いですが、人間にとって大切な活動はそれだけではありません。いえ、「話す、聞く、食べる」の分野は人間が生きていくうえで欠かせないものであり、手足の機能を回復することよりも優先順位が高いのです。

医療には実に多くの資格があり、それぞれの専門家がいます。医師や看護師はもちろんのこと、検査技師や薬剤師、管理栄養士、さらにはリハビリを担当する理学療法士や作業療法士、この記事のテーマである言語聴覚士などです。以前と違って今ではこうした各分野の専門家がひとつのチームを構築して治療やケアに当たる「チーム医療」が常識になりつつあります。

言語聴覚士はそんなチーム医療のメンバーとして欠かせない専門家なので、今後さらにチーム医療の流れが加速すると言語聴覚士の需要も高まってくるといわれています。

次に、言語聴覚士の将来性はどうでしょうか。

先ほども述べましたが、日本は今後も高齢化が進むことが確実視されています。もちろん高齢者だけが「話す、聞く、食べる」の機能に不自由を抱えているわけではありませんが、やはり数としては大部分を占めている事実があります。そのため、言語聴覚士でなければできない仕事が今後増えていくことは間違いなく、言語聴覚士の地位も高まっていくことでしょう。

もうひとつ、言語聴覚士の将来性に関わる動きがあります。

それは、介護保険法の改定です。介護保険法では介護保険を適用できる介護サービスの範囲が定められていますが、より介護の質を高めることへの狙いから言語聴覚士が関与しやすい環境が作られました。これまでは病院やリハビリ施設などでの活躍が多かった言語聴覚士ですが、それが介護保険の管轄である介護施設、福祉施設にも広がったのです。介護は介護施設だけでするものではなく、在宅介護の方もたくさんいます。そんな方への訪問看護の需要が高まっていることは周知のことですが、こうした在宅介護の現場にも言語聴覚士のニーズが生まれてきています。

また高齢者とは真逆の分野ですが、特別支援学校や言語障害児学級といった、特定の障害を持つ子供たちが通う学校においても、その専門家である言語聴覚士の活躍が見られるようになってきました。「言語聴覚士=高齢者を支援する」ではなく、子供たちと関わる職業としても需要が高まっています。

言語聴覚士の知名度がそれほど高くはなく、また有資格者が少ないのは、言語聴覚士の国家資格の歴史が浅いことが理由として考えられます。1997年に新たに加わった国家資格なので、その歴史はまだ20年少々です。

しかし言語聴覚士の需要は高まり続けており、それを受けて言語聴覚士を目指す人が増えると、資格としての知名度も向上していくでしょう。今、言語聴覚士を目指す人の地位が本格的に高まっていくのは、これからが本番なのです。

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