「ことばの相談室」など本格的な実習を通じて学び、
感じていただきたいこと

専門学校に求められる一番の役割は、実践教育です。
学問として医療やケアを究めていくことよりも、それぞれの分野で資格を取得し、医療現場で活躍できる人材を育成することに主眼が置かれています。
本校の言語聴覚士学科ももちろん、実践教育重視です。その実践教育を代表するカリキュラムに、各種実習があります。1年次の後半から始まる「ことばの相談室」はその代表格で、自身が言語聴覚士となってからの活躍をイメージできる機会です。
今回は、これら実習についてその意義や内容について知っていただきたいと思います。
言語聴覚士学科を象徴する実習「ことばの相談室」
本校の言語聴覚士学科を象徴するような実習といえるのが、「ことばの相談室」です。
「聞く、話す、食べる」の専門家として活躍する言語聴覚士になるための「卵」である学生に、失語症や言葉の発達に懸念がある、ろれつが回りにくい、落ち着きがないといった問題を抱えているお子さんと向き合っていただきます。インフォームドコンセントによってご家族から同意をいただいたうえで「ことばの相談室」にお越しいただきます。
つまり、「ことばの相談室」で向き合うお子さんたちは、学生が言語聴覚士になってから実際に向き合う可能性の高い方たちです。コミュニケーション訓練などを実際に行い、そこから得られたさまざまな気づきや課題点をフィードバックして能力を高めていただくことが「ことばの相談室」の大きな目的です。
1年次の学生にとって、初めての経験で緊張の連続でしょう。しかし、お越しなったお子さんと向き合い接していくうちに打ち解けて、やがて指導を受けた内容を実践するだけでなく自分で課題を考え、それを実践できるようになります。
実習終了後は報告会が設けられているので、その場で自分としてやってみたこと、気づいたことなどをまとめて報告します。課題点を共有することで次の実習はより良いものになっていくでしょう。
本校の実習は地域の皆さんからも高い評価
もちろん、こうした実習はお越しになる皆さんからも好評をいただいています。コミュニケーションに不安があるとお感じのお子さんをお持ちの保護者様にとってはどこに相談をすれば良いのか分からずモヤモヤしてしまいがちですが、本校の実習ではそういった方々を無料で受け入れているため、地域の皆さんから頼りにしていただいている面もあります。
さらに嬉しいことに、お子さんやそのご家族から、実習終了後に感謝のお手紙をいただくこともあります。実習に参加した学生にとって、学びの場で感謝されることは、この上ない体験になるでしょう。
もちろん、こうした実習には経験だけでなく学問としての学びもあります。学生のなかには「ことばの相談室」をはじめとする実習での経験を卒業研究に取り上げる方も多く、学問として研究をしてきた内容と実習を絡めた論文を作成しています。
こうした本格的な研究ができるのも、学生時代の特権です。言語聴覚士として就職をしたら忙しい毎日になるので、なかなか立ち止まって学問を究める機会は少なくなるでしょう。その意味でも、学生のうちにできる研究や体験の機会を大切にしてほしいと思います。
卒業が近くなるとより実践的な臨床実習
2年次の後期になると、12週間の臨床実習があります。病院などの医療施設などにおいて、これまで学んだことを頼りに言語聴覚士としての業務を体験します。臨床実習は実際の現場を体験するため、卒業後すぐに言語聴覚士として活躍できる人材を目指すことができます。
実践教育重視の本校ならではの実習ラインナップ
こうした各種実習を積極的に採り入れているのは、本校がすべての学科において実践教育をとても重視しているからです。資格を取得することや、学校で学ぶことは手段にすぎません。それはゴールではなくスタート地点なので、就職後に始まる長いキャリアをより良いものにしていだきたいとの願いがあります。